バッグ工場の見学と生産打ち合わせのため、広州の近くのバッグ工場へ来ました。
一見、え?これが工場と思ってしまいますが、この中に工場があります。中国ではこのような外からは工場とはわからない感じの工場が多いです。中に入ると広い縫製スペースがあります。
このバッグ工場は確かに大きい工場ではありません。中小工場です。
私の場合、大きい工場へ行くことはほとんどありません。大きい工場よりも小さくても頑張っている工場の方が好きだからです。大きい工場はもう今やっている仕事で十分回っているので新しい仕事は面倒くさいという雰囲気の場合が多いです。そして小ロットの客を相手にしてくれないなど、納期も後回しにされるなどいろいろ融通が利かない場合が多いです。
大きい工場ではスタッフが対応してくれるので社長と直接商談もできません。スタッフは大きな割引の裁量権はもっていないので価格も割引してくれないです。
なのでいつもあえてこのくらいの規模で良い仕事をしてくれる中小工場に仕事を依頼するようにしています。小さい工場はだいたい社長が直接出てきて応対してくれるのでいろいろ交渉もできます。
現在生産中のバッグの部材が山積みになっています。
これはバッグの生地を切り出すための金型です。これを革に押し当てて、でバッグの部品となる革のパーツを切り出します。
バッグ縫製専門の特殊な機械もあります。
一通り工場内を確認させてもらった後、生産の打ち合わせです。
写真の細身の男性が工場の社長で、直接お茶を振舞ってくれます。これが中国の中小工場の良いところです。中国の南、広東省ではゆっくりとお茶を飲みながら話しましょうというスタイルが多いです。
効率面だけで考えると早く仕事の話を始めればいいのにと思ってしまう方もいると思います。私も最初の頃は無駄話をしてないで早く仕事の話をしたいと感じていました。
ですがゆっくりお茶を振舞ってもらいながら打ち合わせをすることを何回か経験するうちに、こうやってお互いゆっくりお茶を飲むことによってリラックス状態になることができ、創造力が増してこんな新商品はどうだろうとか良いアイデアが突然出てきたりするし、お互い話しやすくなる、そのためにお茶はとても有効なのかもしれないと感じるようになりました。
実際にそそくさと仕事の話を始めて事務的にさっさと終わらせるという雰囲気では新しいアイデアを出したり、クリエイティブな製品を作るのは難しいですし、そういうロボットみたいな仕事ではなく人間味がありかつ創造的な仕事をするために、このお茶という習慣はとても重要であると思います。
このバッグ工場で生産した商品のサンプル、仕様書です。このようなバッグが作れますよ、ということです。この工場はほとんど日本向けに生産しているので品質がとても良いです。
打ち合わせ後、多くの工場の社長は夕食等をご馳走してくれます。今の中国の状況を考えるとバッグ工場も決して経営は楽ではなく、高騰する人件費、広い工場の賃料、値下げ圧力など、金銭的にはきっと苦しいはずです。
でも夕食をご馳走してくれているのです。お金持ちだからおごってくれるのではないのです。気楽におごってくれたラッキー、などと考えるべきではありません。私は夕食をご馳走してもらうときいつも何とか日本から良い注文を持ってきて恩返ししようと思いながら食事をいただいています。
工場にサンプル製作や見積もりをお願いするときにもあまりに気楽にサンプル製作や見積もりを依頼するのは真剣にビジネスをしている相手に対して誠実さが足りない気がします。
工場は生き残るために必死にやっているのです。確かに無料でサンプルを作ってくれる工場もありますが、発注の見通しもないのにサンプルを作らせるのは工場に失礼なのではと思います。お互い誠実な態度でしっかり接するようにしなくてならないと考えています。
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